【組織開発】強いチームをつくるための実践例

こんにちは!共生・協働センターココラボです。

 

ココラボでは、相談窓口「カタラボ」の中で特に相談の多い情報発信、組織開発、資⾦調達に取り組む際のポイントをまとめたガイドブック(冊子)を作成しています!

 

前回から「組織づくり」をテーマに記事を上げております!

 

第2弾は「強いチームをつくるための実践例」

 

ぜひご覧ください!

はじめに

前回は「組織開発」の潮流と、近年の組織開発について様々な議論があるなか、"システム思考を基盤としながら、個人とチームが効果的に変化を創り出す力を伸ばし続ける組織づくり"の方法を提唱している「学習する組織」のアプローチについてご紹介していきました。

 

第2弾では、理想の状態や課題の整理、最初の一歩となる企画づくりなど、組織づくりにもつながる「実践に向けたワーク」3つの手法をご紹介していきます。

 

 

下記を参考に、➀志を育成する力、②複雑性を理解する力、③共創的に対話する力、それぞれの目的に合ったワークを選択し、実践することをおすすめします。

 

ワーク➀ スコーキング

 

スコーキングとは、理想の状態と現実を客観的に見つめ、ビジョンを具体化するために有効なワークです。

 

スコーキングのポイントは、自身が描いている理想と直面している現実を、他者からの質問を通じて探っていく機会になることです。「なぜ?」「目的は?」「具体的には?」といった問いかけは、自身が発しているメッセージに対し、より深く考え向き合うことになります。

 

スコーキングは3~4人程度で実施することが理想的です。

このワークを実施する意図が共有できる人たちであれば、同じ組織の人たちでも、互いの状況を共有できていない人たちでもかまいません。一人ひとりが描いている理想と現実(ぶつかっている壁、気がかりとなっていること等)を共有することになるため、ともに活動する仲間と実践することは有効です。

 

それでは、スコーキングのやり方をご紹介します。

 

【用意するもの】

・白紙の A3用紙(下記の通り、余白を残した状態で、中心部分に「あなたが実現したい理想の状況」と「理想に対して現実は…」という2枠をつくります。これは事前にプリントアウトすることもおすすめですが、参加者にその場で書いてもらっても問題ありません。)

・参加者分のペン(全員色が違うものにする)

・タイマー(タイムキーパーの役割も決めてください)

 

【スコーキングの進め方】(所要時間:30~40分程度 ※3~4人で実施する場合)

① 7分程度で「実現したい理想の状況」と「理想に対して現実は…」の枠を埋めていきます。個人ワークとなるため、タイマーをセットし、誰とも話はせずに集中して取り組んでください。

※全員違う色のペンで回答を記入してください。

 

② 全員が書き終えたことを確認できたら、隣の人に自身が書いたスコーキングシートを回していきます。

 

③ 3~5分程度でそれぞれが書いている内容に対し、質問を書き出していきます。それを人数分回していき、最終的に自身のスコーキングシートが手元に返ってきます。

※ポイントは、アドバイスではなく、質問を書くということです。相手の理想や現実をより具体化するサポートになれば…という気持ちで愛を持って質問を書きましょう。なぜそう考えるのか?具体的にはどういった人たちが浮かびますか?それはあなたにとってどんな価値があると考えますか?など、問いかけは様々です。

 

④ 10分程度で、いただいた質問に対して、回答を書いていきます。全員が回答を書き終えたかどうかを確認してください。

 

⑤ 一人2分程度で、再度スコーキングシートを回していきます。自身が問いかけた質問に対する回答を読み、必要であれば応援メッセージを添えます。質問に回答してくれてありがとう、という気持ちで、メッセージを添えてみてください。

 

 

お疲れ様でした!最終的にこんなスコーキングシートになっていることが理想です。(やり方の順番も記載しております)

 

ワーク② コネクションサークル

 

コネクションサークルとは、前回もご紹介した本質的な問題解決『システム思考』につながるワークであり、課題の原因と結果の相関関係を深堀りし、本質的な部分を探るために有効なワークです。

 

コネクションサークルのポイントは、まずは個人ワークで始め、その後は周囲(原因や課題に関係する人たち)に協力してもらいながら進めることで、自分からは見えていない課題を洗い出したり、システムとしてのつながりやループを見つけやすくなります。

  

【用意するもの】

・白紙の A4用紙(下記の通り、まずは紙の中心に大きな円を描いてから始めます。)

・ペン

 

【コネクションサークルの進め方】

➀ まず自身が感じている"課題"をもって、個人ワークを始めます。大きな円を紙の中心に描き、課題を円の上部に点を打ち、課題を書きます。

 

② そこから主に円の右側には、その課題が起こっている「原因」-"なぜ?"を繰り返しながら書き出していきます。そして円の左側には、その課題によって引き起こされる「結果」-"そうなることでどんな困りごとが?どうなっていくか?"を繰り返しながら書き出していきます。(まずは点を打ちながら内容を円の外側に記載していきます)

 

③ 原因と結果を書き出したら、矢印を引きながら原因と結果のつながり(相関関係)を把握していきます。そこから循環している課題の根本になりそうな課題や本質的な部分を見極めていきます。

 

 

 

以上が、コネクションサークルの進め方になります。しかしながら、このコネクションサークルを簡単にさささっと書くことは難しいだろうと思います。書き慣れないことや自身が向き合えていなかった(無意識になっていた原因や結果)ことを洗い出していく作業でもあるからです。

また根本となる課題、本質的な部分を見つけるためには冒頭でも記載している通り、他者の視点や課題と関係する人たちへのヒアリングも必要になる場合があります。一度自分でつくってみたサークルは、ぜひその課題に関わる人たちにも見てもらって追記していくなど、時間をかけながら更新していくことをおすすめします。

 

 

ワーク③ 企画づくり

 

ワーク➀ スコーキングを通じて、自身が描く理想の状態とそれに対する現実を具体化し、ワーク② コネクションサークルを描くことで自身が取り組むべき本質的な課題が整理され、いよいよここからは、今後の目標とそれを達成するための最初の一歩を描くための企画づくりを進めていきます。

 

企画づくりのフォーマットは様々ですが、こちらでは下記を参考としてご紹介します。(黒字が企画シートの記載項目、青字は記載例になります)

 

 

企画づくりのポイントは、

《やりたいこと・できること・求められていること》の3つが重なる企画になっていること

最初の一歩は"できるだけ小さく"すること

の2つです。

 

自分がやりたいことであり、できることで突き進んだとしても、それを必要とする人がいないと長くは続きません。

同時に周囲から求められていることであり、自身ができることであったとしても、やりたいという気持ちがなければ、これもまた長くは続きません。はじめからこの3つが揃った企画として進めることは簡単ではありませんが、このバランスは常に意識していくことをおすすめします。

 

また、実行のハードルを下げることは、《やりたいこと・できること・求められること》とのズレがないかを確認でき、軌道修正しやすくなります。さらに、小さいことから始めると、周りからの反発などを抑えることができる可能性も高まります。

 

 

以上、「強いチームをつくるための実践例」でした!

 

次回以降では、実際にやってみたいことを形にしていくポイントについてご紹介していきます。

 

お楽しみに~!

 

 


 

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