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みんなの一歩 ごにんめ 〜馬場みなみさん〜

こんにちは!鹿児島県共生・協働センター、通称ココラボの情報発信を担当しておりますパッションです!

ココラボでは『みんなの一歩』と題して、鹿児島県内で活動をされている方に活動の経緯や活動に対する想いなどを記事にまとめて、ココラボに入って左手すぐの壁際に展示しています。

 

ごにんめとなる今回は鹿児島県肝属郡錦江町で、新たにまちの人たちと一緒にNPO法人を立ち上げようとされている方にインタビューしました。どんな想いで活動されているのか、そもそも最初の小さな一歩は何だったのか、どうやって一歩を踏み出していったのかなど、たくさんの話を聞くことができました。

 

 

皆さんに、鹿児島でとても素敵な取り組みをされている方を知ってもらうとともに、皆さんの活動を始める小さな後押しになると嬉しいです。

 

みんなの一歩とは?

鹿児島県内には、多種多様な方々が様々な活動をされています。そしてその活動に至るまでの過程も様々です。

そこで『みんなの一歩』では、鹿児島県内で活動をされている方がどんな想いで活動をしていて、その活動を始めるそもそもの最初の一歩は何だったのかをインタビューしていきます。

 

みんなの一歩が、皆さんの活動を始める一歩の小さな後押しになるように、そんな想いで始めました。


みんなの一歩 ごにんめ

馬場 みなみさん (錦江町地域おこし協力隊)

ープロフィールー

兵庫県西宮市出身。 大学時代は海外ボランティア自治体フィールドワーク、村留学や農家をPRするウェブメディアのライターなどを経験し、自然と関わる素晴らしさと過酷さに触れる。 大学卒業後、自分の暮らしを取り巻く食べ物やモノの背景が想像できる暮らしをしたいと考え、鹿児島県錦江町未来づくり専門員(地域おこし協力隊)に着任。

 

地域おこし協力隊とは?

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期は概ね1年以上、3年未満です。

 

(出典:総務省ホームページ『https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html』)

 

主な活動内容

ふるさと納税に出品している事業者さんの記事作成、SUPやカヤックなど町内の自然資源を使った体験アクティビティの提供、関係人口づくり、イベントなどを主に行う。 同年、SDGsに関する研修で北海道の下川町とニセコ町を訪問。人と人との関係性でいろんな課題は解決できるはずだと考え、町民と共にSDGsを語る会を定期的に開催(現在まで20回開催)。また、自分自身が何をしたいのかを知りたいという想いから、さとのば大学(※)を受講(マイフィールドコース3期生)。受講により、失敗を恐れずに行動してみて自分が何を感じたのかという学びを得ることに価値があると気づき、2021年秋に本をきっかけに自分や相手と対話する場「本と一筆」を始める。 また協力隊卒業後に向けて「誰もが愉しみ続けられる世界を目指し、NPO法人「たがやす」を設立予定。

 

※さとのば大学とは?

日本の地域で暮らしながら、オンライン学習や地域プロジェクトを通じて学びを深める、キャンパスを持たない大学。

 

 

活動内容の写真

上段左:半島の魅力を発信する「半島同盟」として、鎌倉で行われたPRイベントに参加

上段右:SDGsを語る会の様子

下段左:「本と一筆」の様子

下段右:錦江湾でのサンセットSUP


パッション:

今日はよろしくお願いします!

みなみさんは、兵庫県西宮市ご出身で、大学卒業後に錦江町の地域おこし協力隊に着任されたということですが、きっかけは何だったんですか?

 

 

みなみさん:

きっかけはたまたまだったんですけど、大学のゼミの先生が自治体財政専門で、錦江町の方が先生に公演の依頼をされていて、そこで初めて錦江町を知りました。

その後に、自分は地域で暮らしたいなと思っていたので、東京であった地域仕掛け人市という移住&求人のイベントに参加したんです。そこにたまたま錦江町もブースで参加されていて、話しかけたのがきっかけです。そこの担当の方が素敵で魅力的な方だったので、先生と一緒に錦江町に伺ったら地域おこし協力隊を紹介されて、とても悩みましたが協力隊になることを決めました。本当にご縁とタイミングがあった感じですね。

 

 

パッション:

みなみさんが鹿児島に行かれたのが最初の一歩だったんですね!

錦江町に住もうと決断した理由は何かありましたか?

みなみさん:

町民さんが温かくて、新卒で何にも出来ないけど、来てくれるだけですごく喜んでくださる方も、「できることもたくさんあるよ!」って言ってくださる方もいたからですね。

 

 

パッション:

それは嬉しいですね!

現在、地域おこし協力隊の活動としてはどんなことをされているんですか?

 

 

みなみさん:

着任して3年目になるんですけど、今は町内の人や出来事を発信したり、錦江町にワーケーションで来られる方に錦江町の自然の資源を活用して、SUPやカヤックといったアクティビティを提供できるように準備をしています。ですが新型コロナウイルスの影響で、受け入れとして一昨年や去年はできなかったので、イベントを企画したりしています。

その他にも『SDGsを語る会』と言って、町民さんと一緒にこれこうなったらいいよねと語り合ったり情報共有する場づくりや、フォトコンテストやオンラインショップの運営をしています。

 

 

パッション:

色々なことをされているんですね!

中でも力を入れていることや、みなみさんの軸はどういったところにあるんですか?

 

 

みなみさん:

軸としては、町内の人にも自信を持って誇れるようなまちになって欲しいというのがあります。着任してから1年目は、ふるさと納税の事業者さんの記事を主に書いていたんですけど、例えばただ買うだけだった近くのお肉屋さんが、日々こんな思いで暮らしているんだとか、どういう思いで作っているかなどを記事を通してまちの人に伝われば、自分のまちは素敵だな!と思ってもらえるかなというのがあります。

現在も活動しているSDGsを語る会は、SDGsと聞くと少しハードルが高いイメージだけど、そうじゃなくて自分たちにできることはたくさんあって、こういうこともSDGsに繋がるし、みんながより良い未来をつくる一歩だよというのを伝えていく場があれば良いよねということで、町民さんと一緒に始めました。月に1回、町内や町外から来てくださるんですけど、この人こういうスキルを持ってるんだとか、こういう情報を持っているんだとか、もちろんSDGsの学びの場でもあって欲しいと思いつつ、人の関係性をつくる場があったら良いなというのも軸としてやっています。

 

 

パッション:

まちの人との繋がりが大きな軸としてあるんですね。

 

 

みなみさん:

そうですね。

すごく距離が近いが故に思いの部分とか恥ずかしくて聞けなかったり、深い話はできないみたいなところを、外部の人が仲介に入って、この人こういうこと思っているんだよというのを色々な手段を使って知ってもらえたら、その人同士の関係も少し変わるのかなというのをずっと思いながらやっています。

 

 

パッション:

すごく素敵なことですし、大事なことですよね。

錦江町に住んで活動されたこの3年間を振り返ってみてどうでしたか?

 

 

みなみさん:

3年間通して、自由にやりたいことをやらせてもらえる環境だったので、最初は猟の罠の免許を取得したり、農業をしたり、自給自足的な暮らしをするつもりだったんです。それが色々な仕事をしていく中で、まちの人や誰かと一緒に何かの目標に向かって進んでいく方が良いなと思って、少し自分の方向性がみえてきた3年でした。

 

 

パッション:

それは記事を書いたり、SDGsを語る会などで人の魅力に触れたりしたのがきっかけだったんですか?

みなみさん:

そうですね。まちの人と関わることで、自給自足で1人で生きていくより、みんなで肩を組んで生きていく方が良いなと思いました。記事を書いたり、SDGsを語る会を行って、1人でできることとみんなでできることの大きさが違うことを実感したからこそ、そう思いました。

 

 

パッション:

3月で錦江町の地域おこし協力隊は任期終了ということで、4月以降はどんなことをしていきたいとかありますか?

 

 

みなみさん:

4月からは、地域の町内町外の方々と一緒にNPO法人を立ち上げて、まちづくりや福祉関係の事業をしていく予定です。

 

 

パッション:

おおお!!楽しみですね!!

地域おこし協力隊卒業後、色々な選択肢があると思いますが、錦江町に残ってやっていこうと思ったきっかけはなんだったんですか?

 

 

みなみさん:

一昨年の年末に、卒業後どうするかを考えている時に、NPO法人を立ち上げないかと声をかけてもらって踏ん切りがつきました。

それと、私がまちのみんなでやっていくということに関心があるってわかってからは、どこにいってもまずは関係性からだなと思ったので、これまで錦江町で色々な人を紹介していただいて、人に会って関係性をつくって、信頼も少しづつ積んできて、今まで積み上げてきたもので出来ることってたくさんあるかもしれないな、というのが大きかったですね。

 

 

パッション:

人とのつながりや関係性を大事にされているみなみさんだからこそですよね!

NPO法人を立ち上げないかと言われたきっかけって何だったんですか?

 

 

みなみさん:

NPO法人に誘ってくださった方が、自分をNPO法人の代表にしたいと考えていた時に、たまたま私も深く対話し合える仲間が欲しいと思っていました。そこでmessengerグループがつくられて。「煩悩を燃やす会」という名前で、焚き火に向かって気を遣わずに話す場をつくりました。最初は色々語り合いませんかという感じだったんですけど、今ではNPO法人を立ち上げることになりました(笑)

 

パッション:

色々語り合いたいという一歩から次の一歩に繋がったんですね!

これから、NPO法人やみなみさんとしてどんなことをされていかれるんですか?

 

 

みなみさん:

NPO法人は、「たがやす」という法人名でやるんですけど、たがやすって鍬を入れて空気を入れたり、土壌を作るという意味だったり、耕すって英語でcultivateで、cultivateはcultureの語源なんです。みんなが無理なく楽しみ続けられて、するされるの関係や支援する側される側などを超えて、対等の立場で学び合い、感謝しながら支え合う。そういう文化をつくっていけたらなと思っています。

私としては、民営の図書館をやりたいと思っています。誰でも一棚自分が好きな本を置くことができて、その棚に置く人が20人集まったら20箱の棚になって、それが誰でも借りられる図書館になるんです。そこでは、この人こんな本読んでるんだとか、こういうのに興味があるんだとか、また本を通してその人らしさを表現できる場が作れたら良いなと思っています。

 

 

パッション:

これからがすごく楽しみですね!!

最後に、今から何か踏み出そうとしている人に一言お願いします!

 

 

みなみさん:

自分1人だけだと自己嫌悪になってしまいそうなんですけど、報告や相談ができる人がいたらすごく一歩も踏み出しやすいのかなというふうに思います。こういうこと考えてて、こう思ってるんだよねと話を聞いてくれたり、背中を押してくれそうな人や、その後どうだった?と気にかけてくれそうな人に話してみるだけで全然違うと思います。

 

 


おわりに

 

みなみさんとのインタビューを通して、どんなに小さな一歩でも、その一歩がいつか大きな一歩に繋がるんだなということを改めて実感しました!どんどんまちの人たちを巻き込んで、一緒に行っていくまちづくりは大きな可能性を感じるので、今後のみなみさんや錦江町の取り組みが楽しみです!

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