みなさんこんにちは!鹿児島県共生・協働センター、ココラボです!
昨年度ココラボでは、県内での地域づくりや社会課題解決に関する活動に役立つオンライン講座を開催しました。
今年度は、昨年度実施したオンライン講座の内容を抜粋して、解説レポートとしてお届けします!
第1弾は、「法人格ごとの特徴と非営利団体の設立・運営ルールについて」です。
本日はその前編として、「法人格ごとの特徴とそれぞれの設立手順」についてお届けします!
ぜひご覧ください!^^
法人格を持つ意義について
まずはじめに、そもそも「法人」とは、法人格を有する人や財産の集団のことで、どんなに小さくても「会社」です。個人事業主は、集団ではないので違いますが、世の中には法人とつくものがたくさんあります。
例えば、一般社団法人、NPO法人、合同会社、社会福祉法人、医療法人、大学法人など、全て実は会社なんです。
また、法人格とは収入を得られる、人を雇用できるなどの「権利」と納税や報告などの「義務」が与えられ、「社会的に法律で守られた地位も一緒につけるよ」と国が示したものです。
NPO法人の義務だと、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づいた運営をする必要があります。例えば、年に1回は社員総会を開催しなければならないと定められていたり、理事を3人以上監事を1人以上置かなければならないことなども定められています。他にも、納税の義務や、毎事業年度終了後の3ヶ月以内(事業年度終了が3月31日の場合は6月30日まで)に事業報告書※の主たる事務所への備え置き、所轄庁への提出が義務付けられています。
このように、法人格ごとに権利と義務を持っていて、社会的に守られているのが法人であるということです。
ここで大事なのは、権利もあるけど義務もあるよということです。
法人をつくる際に、自分のやりたいことを会社として、義務が発生してもやりたいことなのか立ち止まって考えることが大事です。やりたいことができるのならば、個人事業主や任意団体でも良いのかもしれません。
なので、会社として法人を立ち上げたいと考えている方は、まずは一歩立ち止まって、自分のやりたいことは義務が発生してもやりたいことなのか、法人を立ち上げないとできないことなのか、個人事業主や任意団体から始めてみても良いのではないか、と考えてみましょう。
法人格を持つメリット
法人格を持った後は、理想とする未来のために課題を見つけたり、課題を解決するための事業を行い、収入などを得ます。ですがこれは、「個人事業主」も「任意団体」も「法人」も一緒です。
では何が違うのでしょうか?
違いとして、法人は寿命がないことが挙げられます。
個人でやっている場合、その人が続けることができなくなった場合、そこで終わってしまいます。ですが法人だと、立ち上げた人が倒れても、思いや理想の未来を引き継いでくれる人がいるということです。
2つめに、法人格を持つことで社会的な信頼が得られます。中には、法人格を持っていないと取れない補助金や助成金があります。ですがこれは、あくまでも「ある」だけで、法人をつくれば貰えるわけではありません。補助金に頼って法人をつくったら苦労します。また、社会的な信頼を得ているので、行政と仕事がしやすいなども挙げられます。
その他にも、個人と比べると多少ですが税的に優遇されたり、仲間がいるので代表者がすべての責任を負わなくて良いなどがメリットとして挙げられます。
任意団体、個人事業主、営利団体、非営利団体ごとの特徴
では、法人格ごとの特徴をみていく前に、任意団体、個人事業主、営利団体、非営利団体ごとの特徴をみていきましょう。
■任意団体
任意団体は法人ではないので、国への登録は不要です。立ち上げようと思えば、すぐにでも立ち上げることができます。立ち上げが容易にできることが、任意団体の強みとも言えます。公益性は高くても低くても問題ありません。報告義務や納税義務もありませんが、収入がある場合は個人の確定申告が必要です。もちろん設立費用も解散費用も必要ありません。
■個人事業主
個人事業主は、国への登録として開業届が必要です。公益性は高くても低くても問題ありませんが、確定申告で報告義務と納税義務があります。また、設立・解散費用は不要ですが、解散する際には廃業届が必要です。
■営利団体(理事役員で純利益を分配できる)
営利団体は、国への登録として法務局に登記が必要です。営利を目的とするため公共性は低くても問題ありません。報告義務としては、総会や変更時は登記も必要となってきます。また、営利を目的とする分、法人税や消費税などといった納税義務があります。また、設立費用や解散費用も他に比べるとかなり高くなっています。
■非営利団体(理事役員で純利益を分配できない)
非営利団体も、国への登録として登記が必要です。また、公共性が高くないといけません。地域課題を解決するためや、社会課題を解決するために事業を行う必要があります。報告義務も、総会及び所轄庁への報告、変更時は登記も必要です。法人税や消費税といった納税義務もありますが、公益性が高いため減免制度があります。設立費用や解散費用も、営利団体と比べると安くなっています。(0ではありません。)
法人格ごとの特徴
まず、法人格ごとに、初期費用、出資金、設立認可、活動内容、業種制限、必要会員、法上の報告義務がそれぞれ違います。各法人格ごとにまとめたものが下記になります。
最後に、法人格ごとの特徴について見ていきましょう。
■株式会社(営利法人)
■合同会社(営利法人)
■特定非営利活動法人(非営利法人)
■一般社団法人(非営利法人)
■労働者協同組合(非営利法人)
視聴用動画について
講座の開催内容は、視聴用動画として公開をしています。視聴にあたっては、こちらから事前申込をお願いいたします。
申込が確認でき次第、担当よりメールにて動画視聴についてご案内いたします。
以上、「法人格ごとの特徴とそれぞれの設立手順」でした!
後編では、「法人格を運営する上で大切なこと」について紹介していきます。
後編もお楽しみに〜!!^^