【開催レポート】ココラボオンライン講座「非営利活動をはじめたい・進めたい人のための基本講座」

みなさんこんにちは!鹿児島県共生・協働センター、ココラボです^^

 

ココラボでは、「鹿児島で地域づくりや課題解決の活動を始める・進めるためのコツは?」ということで、非営利活動をはじめたい・進めたい人のための基本講座をオンラインで開催しました。

 

当日は、鹿児島県内で活躍されている2団体の方をお呼びし、それぞれの活動経緯や工夫していることなどについてお話を伺いました。

  

今回は、当日の様子を一部ご紹介します^^

また、全編をご覧になりたい方は視聴用動画をYouTubeにてアップしているのでご覧ください^^

目次

1.開催概要
2.ゲスト団体紹介
3.講演内容①(一般社団法人LOCAL-HOOD)
4.講演内容②(NPO法人指宿観光&体験の会)
5.質疑応答
6.ココラボより、活動をはじめる・進めるためのポイント
7.視聴用動画の案内

1.開催概要

日時:7月9日㈰13時~16時

開催方法:ZOOMを使ったオンライン開催

内容

非営利活動をはじめたい・進めたい人のための基本講座

~活動のはじめ方・チームの運営や設立について~

講座のながれ

・オリエンテーション

・ゲスト2名による取組紹介

・コツや手順の解説講座

・グループディスカッション

など

参加対象

・鹿児島県内で活動をされている方・これから始めたい方

・活動について課題や悩みを抱えている方

2.ゲスト団体紹介

当日は、種子島から一般社団法人LOCAL-HOOD副代表の湯目知史さんと、指宿からNPO法人指宿観光&体験の会理事長の今柳田浩一さんをゲストにお呼びし、鹿児島で地域づくりや課題解決の活動を始める・進めるためのコツについて深ぼっていきました。

1団体目:一般社団法人LOCAL-HOOD(種子島)

https://localhood.studio.site/

理事:湯目 知史さん(写真左)

プロフィール

1995年1月生まれ 宮城県出身。高校卒業後、同じく宮城県にある大学に進学し、経済学部に所属。大学卒業までを宮城県で過ごした後、上京。保険会社に就職。数年を東京で過ごした後、鹿児島県種子島の中央にある”中種子町”に移住し、地域おこし協力隊として活動を開始。令和5年3月で任期満了し現在に至る。地域づくりに関わりながら、ライティングのスキルを活かして町の発信も行っている。

2団体目:NPO法人指宿観光&体験の会(指宿)

https://www.ibusukikankoutaiken.com/

理事長:今柳田 浩一さん

1957年指宿市生まれ。指宿市役所入所後、主に観光関連事務に従事。2018年3月指宿市役所定年退職を機に「国内旅行業務取扱管理者」資格を取得。2019年3月「NPO法人 指宿観光&体験の会」設立。4月地域限定旅行業社として事業開始。指宿の地域資源を活用した体験プランを新たに造成。また、観光ガイドが砂むし温泉だけじゃない魅力的な指宿の観光資源を案内することにより、「指宿の旅が10倍楽しくなる旅へ」つながるよう、日々のガイドを活動中。

3.講演内容①(一般社団法人LOCAL-HOOD)

活動内容について

湯目さんはご夫婦で『チャレンジ拠点YOKANA』という施設を運営されています。施設としては、カフェスペースやコワーキングスペース、レンタルキッチン、プレイルームなど様々な機能を兼ね備えており、2階には1日に最大8名泊まれるゲストハウスとしても運営されています。ゲストハウスの収益で、施設の家賃や水道光熱費などの維持費に充てているそうです。 

 

『チャレンジ拠点YOKANA』では、「チャレンジ支援」という誰でも挑戦してみたいことを無料で相談できる窓口をされています。例えば、フリーマーケットを開きたい!という方がいた時に、開催場所はどうするのか?告知はいつから始めるのか?許可はとらないといけないのか?など、ひとつのことをやるにしても意外とやることがたくさんあって大変です。そんな時に、『チャレンジ拠点YOKANA』に無料で相談が出来て、どんなことをやらないといけないかを一緒に洗い出したりなど、誰かの「やってみたい」を表現するお手伝いをされています。

これまで生まれた活動として、子どもの面倒を見ながらお母さんたち同士が交流する『ママコミュニティよかまま』やてづくりのフリーマーケットが挙げられていました。

活動をはじめたきっかけ

湯目さんご夫妻が、誰かの挑戦を応援するような活動を始められたのは、地域おこし協力隊時代に「この地域は新しいことに挑戦しづらい」と相談されて、そのことに疑問を思ったのがきっかけでした。

 

そこで、なぜ挑戦しづらいかを深ぼっていくと

「地域の理解が得られない」

「場所や資源、慣習が分からない」

「同世代や仲間と繋がる方法がない」

というのが挙がってきました。

 

湯目さんご夫妻は、私たちの地域おこしとは何か?、私たちの地域活性化とは何か?をいちど立ち止まって考えられたそうです。そして、『誰もが、「やってみたい」ことを思い切り表現し、挑戦できていること』が湯目さんご夫妻が考える、地域が活性化している状態と言葉にすることができたそうです。

 

ここで湯目さんから参加者の皆さんに、自分の中にある感覚や思いを言語化することで、なにか迷った時に立ち返る指針になるのではないかとヒントをいただきました。

 

そこから自分たちの拠点をつくりたいと思い、築60年の空き店舗を借りて、リノベーションをスタートされました。大工さんに頼んだ所もありましたが、DIYとして地域の高校生など累計50名以上が参加されて、約1年間と時間をかけてリノベーションされたそうです。湯目さんはこの活動を通して、「できっこない」ことでも、「やってみたい」ことには挑戦してみる!という経験になったと言われていました。DIYに参加された人たちからは、本当に完成するとは思わなかったと言ってもらったり、やってみようと言ったことを体現していく大切さを共有できた活動になったと湯目さんは言います。また、拠点を作る中で応援してもらったり挑戦を支えてもらうことで、そのありがたさや嬉しさを実感したそうです。

団体設立の工夫した点や課題

ここで湯目さんは、これから地域で活動していく中で「地域の理解が得られていない」と感じてしまう場面の時に、そう感じてしまうことが問題ではないかと言いました。他の人がどう感じているか本当のことは分からないのに、稀に入る反対意見に過剰に反応することはないのではないかということでした。

 

また、『チャレンジ拠点YOKANA』をリノベーションする前は内覧会を開催して、これからどんな取り組みをするのか地域の人に見ていただいたそうです。

 

それでも前提として、地域づくりでやろうとしていることは、「自分の自己満足でしかない」と思っておくことが大事だと湯目さんは言います。自分たちが思い描く地域活性化の姿を信じていたり、在り方を大切にしているからこそ、この思いが相手に一方的であったり、押し付けていないかを自問自答して、自分を妄信しないことが大事だと湯目さんは言います。

 

『チャレンジ拠点YOKANA』は、オープンしてもうすぐ2年が経ち、これまで45件のチャレンジ相談を受けていて、認知の拡大や地域への定着については一定の成果を感じられていると湯目さんは言います。今後の課題として、より専門性の高い相談への対応や、施設の維持&収益の安定化が挙げられました。

最後にまとめとして湯目さんは、活動を長く続けたり、辛くならないために「自分の自己満足でしかない」と思っておくことが大事なのではないかと言ってくださいました。

4.講演内容②(NPO法人指宿観光&体験の会)

活動内容について

NPO法人指宿観光&体験の会では、指宿の地域資源を活用した体験プランを約34個作って、提供されているそうです。指宿の観光ガイドとして、砂蒸し温泉だけではない魅力的な指宿の地域資源を案内して、指宿の旅が10倍楽しくなる旅に繋がるように、日々他のガイドの方々と一緒にされています。

 

一般社団法人や個人事業主などある中で、NPO法人を設立された理由として、観光ボランティアガイドとしてやってこられていたので、ボランティア意識としてやることや、市の観光課や観光協会と連携することもあるので、公共性の高いNPO法人を選ばれたそうです。

 

また、NPO法人設立のメリットとして

・公益性があり、信頼性が保たれた

・法人税などの減免

・コロナ禍での助成金対象となった

などが挙げられ、デメリットとして

・設立の際の申請書のほか、毎年の報告書などの提出書類が多く大変。行政職の経験者がいるとありがたい

が挙げられました。

 

『NPO法人指宿観光&体験の会』の特徴としては、砂蒸し温泉だけではない指宿の魅力的な観光資源を、観光ガイドが案内することだと今柳田さんは言います。

そんな『NPO法人指宿観光&体験の会』の業務内容として

①着地型観光メニューの推進

②体験型観光メニューの推進

③指宿アンテナショップの推進

が挙げられました。

 

着地型観光メニューの推進では、移動中のタクシーに乗っている際もガイドさんが観光名所や歴史の話をしたりなど柔軟に対応されていたり、体験型観光メニューの推進では、全てのプランにガイドさんが付いています。例えば鰹節工場では、説明している社長さんの横でフリップなどで補足説明をされているそうです。

 

また、人気体験ベスト3としては

1位 鰹節工場見学

2位 鰻温泉

3位 美肌砂

が挙げられました。

体験者数としては、コロナ禍ではなかなか人数が増えませんでしたが、令和4年度は一般客が1965名、修学旅行生が5894名もの受け入れをされています。

収支決算額としては、初年度の赤字分を令和2年度、3年度の黒字分から差し引いて、全体的には差額が0か少しマイナスになる程度で現在運営をされているそうです。

 

また、様々な企業や団体からコラボの依頼があり、「市内の焼酎蔵めぐりバスツアー」や「介護タクシーで行く入浴介助付き砂むし温泉入浴プラン」などをこれから新しいプランとして出していくそうです。

色々な方と協働されていく中で今柳田さんは、活動をする中で、自分が生活していくための人件費の確保が収支の中では1番大変なので、そこを確保する手立てを代表の方は考えることが大切だと言いました。

今後の課題

今後の課題として今柳田さんは

・観光ガイド人材育成・ガイド活動支援

・指宿観光&体験の会の後継者づくり

の2点を挙げられました。

 

現在、ガイドをされている方が70歳以上で高齢化しているため、人材育成やレベルアップ、ガイドが活動しやすい環境づくりを支援していきたいとのことで、NPO法人向けの補助金を活用したり、県の観光連盟とも連携しながら進めていきたいとのことでした。

 

また、NPO法人内の常勤職が63歳〜65歳で、若返りが必要とのこと。NPO法人は、人件費も必要経費として計上可能なので、安心して働ける環境づくりを目指して、長く活動していきたいと今柳田さんは言いました。

5.質疑応答

湯目さんと今柳田さんの話を聞いた後は、参加者がグループに分かれて、感想や気になったことを共有しました。ここでは一部の感想と質疑応答をご紹介させていただきます。

 

感想

・湯目さんの話を聞いて、地域活性化とは何かを改めて考えた。

・今柳田さんの話を聞いて、大手などがやる観光が多い所を地域密着型で地域課題や市民活動とリンクしていることが大事だと感じた。

・お二人の話を聞いて、やはり運営費や人件費をどう捻出していくかが大事だと感じた。

 

質疑応答

Q.収益の作り方は具体的にどうしていますか?

A.(湯目さん)維持費はゲストハウス宿泊収入で回していて、人件費は行政など施設外の仕事を受けて持ってきている。

 (今柳田さん)ツアーの体験料として1回1500円などお金をとっているが、それでも厳しさはある。

 

Q.(湯目さんへ)地域の方(特に反対意見の方)とのコミュニケーションを具体的に知りたい。

A.無視しないように、厳しい意見でも、できるだけ詳しく、具体的にお話を伺うようにしている。

 

Q.(今柳田さんへ)他旅行会社との棲み分けは?

A.地域密着型の体験プランは、地元のことが分からないので大手旅行会社にはできないと考えている。コラボさせて欲しいという依頼はきている。

 

などなど、たくさんの質問があがっていました!詳しい内容は、視聴用動画をご覧ください!!

6.ココラボより、活動をはじめる・進めるためのポイント

最後に、ココラボへ普段からよく寄せられるご相談を中心に、活動をはじめる・進めるためのポイントを説明させていただきました。

 

内容としては、

1、法人化しないといけないの?法人格の違いは?

2、活動資金の調達・収益事業の作り方

3、情報発信・連携について

の3つを説明しました。

 

1の法人格については、ブログ記事としてあげていますのでそちらもご覧ください。

2と3の資金調達と情報発信についても、後日ブログ記事としてあげますのでお楽しみに!^^

詳しい内容は視聴用動画をご覧ください^^

7.視聴用動画の案内

今回の講座は、ココラボのYouTubeにて公開しております。

ぜひご覧ください^^