みなさんこんにちは!鹿児島県共生・協働センター、ココラボです!
昨年度ココラボでは、県内での地域づくりや社会課題解決に関する活動に役立つオンライン講座を開催しました。今年度は、昨年度実施したオンライン講座の内容を抜粋して、解説レポートとしてお届けしています!
第1弾では「法人格ごとの特徴と非営利団体の設立・運営ルールについて」、第2弾では「活動を進めるための資金調達と情報発信について」を紹介させていただきました。
第1弾「法人格ごとの特徴と非営利団体の設立・運営ルールについて」
第2弾「活動を進めるための資金調達と情報発信について」
そして第3弾は、「現場で活かすファシリテーションのコツ」です。前回は前編として、「ファシリテーションの定義とテクニック」についてお届けしました。
今回は後編として、「ファシリテーターの在り方」についてお届けします^^
目次
1、共感可能なテーマ設定について
2、ファシリテーターとして大事にしたい在り方について
3、視聴用動画について
1、共感可能なテーマ設定について
前編のおさらいになりますが、話し合いや場づくりにおける困りごとは、大きくコーディネート(設計における困りごと)とファシリテート(話し合いの運営上の困りごと)の2つに分けられます。前編では主に、ファシリテートのアプローチ方法についてお伝えしました。
では、コーディネート(設計における困りごと)のアプローチ方法を考えていきましょう。
参加者が集まらない、いつも同じ人しか来ない、遅刻が多いという課題のアプローチ方法として、共感可能なテーマ設計が挙げられます。共感可能なテーマ設計では、「そもそも参加したくなる、つまり共感できるテーマが設定された場になっているか?」あるいは「本質的な議論ができそうなテーマが設定された場になっているか?」といったことを考えることが大事です。
それでは、共感可能なテーマ設定とはどういうことでしょうか?
前半において、ココラボのファシリテーションの定義を「参加者一人ひとりの参画を最大限に確保し、目的達成に貢献すること」としました。この役割を担うファシリテーターが”場の運営において”大切にしたい在り方の要素として、共感可能なテーマ設定は「できるだけ参加者一人ひとりのニーズに寄り添ったもの」になります。
共感可能なテーマ設定について、例題を出しながら考えていきましょう。
ある会議のテーマが「小学校の生徒減少に対する地域としての対応策を皆で考えたい」だとします。
みなさんであれば、どのような問いを掲げて話し合いの場を開きますか?少し考えてみてください^^
仮にAさんとBさんは、それぞれ下記のような問いを掲げました。
それぞれのテーマの背景にはどのような意図があるでしょうか。
Aさんの場合、小学校を廃校すべしという思考・判断ありきの問い。Bさんは、子どもたちの学習環境を良いものにしたいというニーズからの問いです。どちらが良い・悪いということはないですが、これから地域の人たちも巻き込んで議論していく場をつくるために提示する会議のタイトル(問いかけ)として、どちらのほうがふさわしいように感じるでしょうか?
また、自分自身にも相手にも共感し続けるために必要な要素として、AさんとBさんのやり取りをみていきましょう。
どうでしょう?日常的によくありそうな会話ですよね^^;
この会話を
①観察
②感情
③ニーズ
④リクエスト
に分解してみていきたいと思います。
まずはBさんが、”いつも”と言ったことに対して、Aさんが「いつもってことないだろ!」と言っています。いつも話を聞いていないとBさんに言われたことに対して、Aさんは怒っています。
ではこの時の、お互いの感情はどうでしょうか?
Aさんは、不愉快・しゃくにさわる・苛立つなどが挙げられます。対してBさんは、腹が立つ・むかつく・うんざりなどが挙げられるのではないでしょうか。
さらに、お互いのニーズはどうでしょうか?
Aさんは配慮や尊敬、Bさんは信頼や支え、思いやりなどが挙げられます。
では最後に、どのようなリクエストをお互い投げかけあえばよかったのでしょうか?
下の画像のように、自身のニーズも伝えつつ、「あなたがよければ…」のお願いを具体的に伝えることで、自分自身にも相手にも共感し続けることができます。
2、ファシリテーターとして大事にしたい在り方について
これまでお伝えしてきた共感可能なテーマ設定や、自分自身にも相手にも共感し続ける大切な要素も含めて、「場全体を感じ続けながら、バランスを取り続ける」というのがファシリテーターの重要な在り方です。では、何のバランスをとるのかというと、「目的(意図)を持ち続ける」ということと「いまここに在り続ける」ということです。どちらかを優先するのではなく、両方のバランスをとりながら、場を運営していくということがファシリテーターとして大事にしたい在り方ですね^^
3、視聴用動画について
今回のオンライン講座の開催内容は、視聴用動画として公開をしています。
視聴にあたっては、こちらから事前申込をお願いいたします。
申込が確認でき次第、担当よりメールにて動画視聴についてご案内いたします。
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