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みんなの一歩〜情報発信編〜 ふたりめ 川崎 桃子さん

みなさんこんにちは!鹿児島県共生・協働センター、通称ココラボの情報発信を担当しておりますパッションです!^ ^

 

ココラボでは『みんなの一歩』と題して、鹿児島県内で活動をされている方に活動の経緯や活動に対する想いなどを記事にまとめて、ココラボに入って左手すぐの壁際に展示しています。

 

今回は、情報発信編のふたりめとして、志布志市で活動されている川崎桃子さんに取材させていただきました。川崎さんは、志布志市で『コミュニティ協議会だより』というフリーペーパーを発行されており、昨年度ココラボで開催した『フリーペーパー展』にも出展いただきました。

 

川崎さんのこれまでの活動や活動のきっかけ、フリーペーパーに関することをたっぷりとお聞きしました。皆さんに、鹿児島でとても素敵な取り組みをされている方を知ってもらうとともに、皆さんの活動を始める小さな後押しになると嬉しいです。

みんなの一歩とは?

鹿児島県内には、多種多様な方々が様々な活動をされています。そしてその活動に至るまでの過程も様々です。

そこで『みんなの一歩』では、鹿児島県内で活動をされている方がどんな想いで活動をしていて、その活動を始めるそもそもの最初の一歩は何だったのかをインタビューしていきます。

みんなの一歩が、皆さんの活動を始める一歩の小さな後押しになるように、そんな想いで始めました。

みんなの一歩〜情報発信編〜 ふたりめ 川崎 桃子 さん

ープロフィールー

保育士や幼稚園教諭免許、フェイシャルエステティシャン、食品衛生管理者、地域子育て支援士などの資格を所有。「大好きなふるさとである志布志のために尽くしたい」と志布志市地域おこし協力隊としてUターンし、任期満了後は志布志市地域支援員として、コミュニティ協議会の立ち上げや活動支援を行う傍ら、地域♡子育て支援サロン MOMOカフェで子育て支援事業を行い地域の居場所づくりのボランティア活動を行っている。

歌を歌うことが趣味!のど自慢にも出場しました♪

志布志のことが大好きで、志布志のために尽くしたい

パッション:

今日はよろしくお願いします!川崎さんは現在志布志市役所で働かれていますが、その前は何をされていたんですか?

 

川崎さん:

元々は志布志市にある潤ケ野という地域の出身で、高校を卒業してから宮崎の短大に進学しました。保育科を卒業しましたが、コミュニケーション能力を高めたいと思い、接客業である大手化粧品会社に入社しました。デパートが夜9時とか10時までだったので、子どもが生まれ子育てが始まったタイミングで転職をして宮崎市役所で働き始めました。そこでは、今の仕事と同じようにコミュニティ協議会の地域活動支援などを3年ぐらいしていましたね。

新卒では接客業である大手化粧品会社へ入社

宮崎市役所で働いていた時、宮崎市公式キャラクターミッシちゃんと♪

 

パッション:

志布志に帰ってくるきっかけは何かあったんですか?

 

川崎さん:

志布志でイベントがあるときには毎回帰ってくるほど、志布志のことが大好きだったんです。地域活動をするんだったら志布志のために尽くしたいという想いがあり、地域おこし協力隊の募集を知り応募をしました。他にも志布志にはヨコミネ式こども園という、逆立ち歩きや跳び箱、バク転など運動機能を高めたり、たくさんの種類の楽器で合奏をしたり、自然活動を思いっきりさせてくれる国内外でも有名なこども園があって、私も保育科の勉強でそのこども園に保育実習で先生として入っていたんですけど、子どもをここで育てたいなというのがすごくありました。

ヨコミネ式たちばなこども園のおかげで息子はドラム、娘は体操やダンスが好きになりました!今では大人と一緒にバンド演奏をしたり、子ども2人だけでもステージに出演しています

 

パッション:

そうだったんですね!地域おこし協力隊ではどんなことをされていたんですか?

 

川崎さん:

商店街の活性化をする商店街プランナーという仕事を担当していました。店舗の誘致や商店街のマップの作成や商店街イベントの開催、新聞やテレビ取材や、商店街の情報をメディアやSNSで発信していました。また、協力隊の集大成として地域の方に協力をもらい「志布志市郷土かるた」を作り、志布志の新たな商品を産み出すこともできました。800セット以上販売されたかるたの売り上げ金は、志布志市の観光財源として活用していただいています。

商店街プランナーとしてこどもの日に

『チョークでおえかき大会』を企画して運営しました♪

志布志市商店街MAP

地域おこし協力隊の集大成で作成した、『志布志市郷土かるた』

 

パッション:

協力隊後も市役所でお仕事を続けていますが、どういったきっかけがあったのですか?

 

川崎さん:

任期満了で地域おこし協力隊を卒業する時に、地元である潤ケ野地域が志布志市のモデル地区として初めて、コミュニティ協議会を設立することになりました。

 

潤ケ野地域だけでも、校区公民館やふるさとづくり委員会、自治会といろんな団体が地域内にはありますが、それぞれがバラバラに活動していたので、コミュニティ協議会を設立することで一緒に活動を始めたり、人口がどうしてもこれから少なくなっていくので10年後を見据えて、今のうちから結束を強めて地域の計画を立てたり、組織体制を見直すことになったんです。

 

その時に地域の方から「協議会の副会長にならないか」というお声をいただきましたが、その協議会と市をつなぐ地域支援員という人材が協議会の担当をするというのを聞いて、副会長もいいけれど市と地域のパイプ役になった方が、もっと地域のためになる有益な活動ができるんじゃないかと思って、協議会の会長にも背中を押してもらって地域支援員になることを選びました。昨年度までには志布志市内で17地域のコミュニティ協議会が立ち上がり、私は4つのコミュニティ協議会を担当しています。

目の前の困っている人をとにかく助けたい

パッション:

 現在は地域支援員やその他の活動として、具体的にどういったことをされているんですか?

 

川崎さん:

地域支援員としては、コミュニティ協議会だよりを作成したり、地域の総会や役員会、定例会に参加したり、イベントの準備や運営のお手伝い、歌うことが趣味なため、地域イベントに出演のお声かけをいただいたりしています。市の補助事業のほかに、県が募集している補助金など情報収集して、地域に紹介し、要望があった地域の申請書や報告書の作成のお手伝いもしています。その他、担当地域への視察研修の受け入れ対応や県や他地域から依頼をいただき、地域の事例発表を行ったりもしています。

志布志市役所に掲示している各地域の協議会だより

 

個人の活動としては、MOMOカフェという子育て支援サロンを地域おこし協力隊任期後にオープンしました。民家を借りて、DIYで室内やお庭を整備し、親子の居場所づくり【親子カフェ、オレンジほっとカフェ(赤ちゃんと交流できる認知症カフェ)、子ども連れで利用できるエステサロン、託児(休日預かり・夜間預かり・お泊り預かり)】を行っています。最近では志布志外からもイベント託児(キッズスペース運営)を頼まれたりすることも増えてきました。事業で頂いたお金を、サロンカフェ運営のために借りているMOMOカフェの家賃や水光熱費に充てています。それでも赤字なので地域支援員の収入を充てて、ボランティアで運営しています。MOMOカフェ事業に充てられる補助事業があまりないため、いつまで個人の手出しで運営を続けていけるかわかりませんが、昨年度は年間1300名以上の利用があり、地域に必要な場所と思っているし、預け先がなくて仕事ができないという方が実際にいらっしゃいますので、目の前の困っている人をとにかく助けたいという信念で活動しています。

イベント内での託児など、おもちゃなどを持参して、キッズスペース運営を行っています

※キッズスペースを作ることで、若い世代のイベント参加が増えたと主催者から喜ばれています

 

パッション:

MOMOカフェをやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

 

川崎さん:

宮崎市役所で仕事をしているときにも、地域の会議に参加するときには夜が多く、夜間保育に子どもを預けて参加することもあり、志布志に帰ってきて子育てをしているから気づいたと思いますが、夜間に預ける託児所がありませんでした。志布志は港町で、企業も多く県外から転勤されるファミリーや、シングルマザーも多くいます。私は実家の親に子どもを預けることができるけれど、その方々の頼る場所がないんですよね。

 

私の耳にも、預ける場所がなくて困ってるとか、こういう時どうしたらいいか分からないというママたちの不安の声がたくさん聞こえてきてたので、自分でできる範囲でしてみようというのがきっかけです。100%受け入れられない時ももちろんありますし、自分の子どものこともあるので夜間保育を断ったりすることもありますが、志布志市に安心して預けられる託児所や親子が気軽に集える子育て支援施設ができるまで、MOMOカフェでできる子育て支援を続けられたらと思っています。

MOMOカフェでは、誰でも参加できるお誕生日会や読み聞かせ、季節イベントを開催

地域の人にしか分からない内容だからこそ面白い

パッション:

地域支援員のお仕事の中で、コミュニティ協議会だよりを作成しようと思ったきっかけはなんだったんですか?

 

川崎さん:

潤ケ野地域は志布志市内で1番目にコミュニティ協議会が設立されたため、「地域コミュニティ協議会」というものが何なのか、どんな活動をしていくのかというのを、地域の皆さんにお知らせできたらと、発行したのがきっかけです。

令和3年度の協議会設立時に発行した「潤ケ野コミュニティだより 創刊号」

 

パッション:

現在コミュニティ協議会だよりではどのような内容を発信されているんですか?

 

川崎さん:

私が担当している地域では、年度初めと年度終わりの年2回発行しています。年度初めは1年間の行事の予定を載せたり、年度終わりには1年間どんなイベントがあったか季節ごとに載せたりしています。他にも、地域の綺麗な風景や〇〇さんが近くの湧水を活用して鯉を飼い始めたよなど、地域ネタをたくさん入れています。私は地域の人にしか分からない内容で良いと思っていて、地域に住んでいてもその場所に行かないと知らないことがたくさんあるので、楽しそうだな、行ってみようかなと思ってもらえるきっかけになると嬉しいです。

パッション:

実際にこれまで発行されてきて、周りの反応などはどうですか?

 

川崎さん:

載っている人の写真を見て、「誰々が出てたね」と言ってくれたり、行事の楽しそうな写真を見ることで来年こそは行きたいと言ってもらっています。それが目的でコミュニティ協議会だよりでは写真を多く載せるようにしていますが、実際にお声を頂けて嬉しいですね。回覧板ではなくて各世帯に1枚ずつ配られるので、ゆっくり見て地域のことを以前よりは知ってもらえてるのかなと思います。

 

他にも、地域の中にいる若者も活動に参加していると載せることで地域の若者が頑張っていることを伝えることができたり、我が子がいる方は「あんたも参加せんね!」と言ってくれて、そこにも繋がっているのかなと思います。

地域のことをまずは知ってもらい、将来的に潤ケ野地域に移住する人が増えれば

パッション:

他の地域でも地域支援員の方がコミュニティ協議会だよりは発行されているんですか?

 

川崎さん:

まず地域で広報誌を作るか作らないかがあるので、作らない地域もあるし、作るときに地域の人が作るか、地域支援員に頼むか、デザイナーに頼むかという選択があり、地域から頼まれた地域支援員は自分たちで作り、地域の方が作っている場合もあります。

 

パッション:

制作費や印刷費は、行政の予算を活用しているのですか?

 

川崎さん:

そうですね、地域に交付される市や県の補助金を活用して作成しています。私の担当している地域では、デザインやレイアウトは私のできる範囲でやっています。

 

パッション:

すごいですね!コミュニティ協議会便りを作成する中で大変なことはありますか?

 

川崎さん:

元々デザインの知識がないので、見やすくレイアウトを変えていきながらやってきましたが、地域のことを知っているからこそ、良いものが作れるのかなと思っています。担当している地域の中でも、自分が住んでる地域では会議や役員会に毎月参加したり、敬老会で歌を歌いに行ったりするので、自分が体験した写真や説明を書くことができます。他の地域では、写真を提供して頂いて説明を聞きながら作成することも多いので、なるべく自分から関わっていけるようにしたいと思っています。

パッション:

それでは最後に、これからのコミュニティ協議会便りと川崎さんの展望を教えてください!

 

川崎さん:

コミュニティ協議会便りに関しては、長く続けたいというのが一番の目標で、皆さんが1回見たら次を楽しみにしてもらえるものを作りたいと思っています。地域密着の記事をたくさん入れながら、写真もたくさん入れながら、文字も少し大きめにして年配の方でも見やすいように工夫をしていきたいです。

 

やっぱり若い人にも参加して欲しいし、地域のことをまずは知ってもらって、ただでさえ地域の人口が少ないので、地域外から人に来てもらって、交流人口や関係人口を増やして、将来的に潤ケ野地域に移住してくる人ができたら良いなと思って作成しています。

 

自分の活動としては、地域支援員というお仕事がいつまで続くか分かりませんが、やっぱり私は地域と関わる仕事が好きなので、続けられる限り続けていきたいと思っています。


おわりに

インタビューを通して、川崎さんから志布志への想いがもの凄く伝わってきました。地域の人にしか分からないマニアックな内容だからこそ、他所の人が読んでも地域のことを知れるフリーペーパーだと思います。そんな愛の溢れた内容も、地域のことを思っている川崎さんだからこそ作ることができるんだなと感じました。これからのコミュニティ協議会だよりや、川崎さんの活動が楽しみです♪

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