
みなさんこんにちは!鹿児島県共生・協働センター、ココラボ(略称)です^ ^
ココラボは、窓口業務ならびに相談業務、展示・情報発信、またNPO法人等の活動支援などを、鹿児島県からNPO法人くすの木自然館と一般社団法人テンラボが委託を受け、共同で委託を受け、鹿児島県と連携して運営しています。
このような共同受託は今年度で7年目となりますが、そんな我々が日々どんなことを想い、考え、運営しているのか。
本日は両団体の浜本麦さん(写真右:NPO法人くすの木自然館 代表理事)と白水梨恵さん(写真左:一般社団法人テンラボ 執行役員)に情報発信担当のパッションがインタビューをしました!
是非ご覧ください!
プロフィール
浜本 麦(鹿児島県共生・協働センター業務責任者)
NPO法人くすの木自然館 代表理事

鹿児島市生まれ霧島市の日当山育ち。鹿児島大学で生き物の研究をしつつ、卒業後すぐに、「NPO法人」に就職。まだ、「NPO法人」が周知される前に入社したため、ボランティア活動と思われることが多いことに憤慨。NPO法人が稼ぐ意味や、課題解決のために多様な主体とつながる方法、地域の方々と一緒に活動していく方法を現場で実践を通して学ぶ。現在、くすの木自然館の代表理事として、設立者の思いをより良い形で引き継ぐブレない組織づくりをおこなっている。
白水 梨恵(鹿児島県共生・協働センター業務副責任者)
一般社団法人テンラボ 執行役員
一般社団法人横川kito 代表理事

1987年、鹿児島生まれ。立命館アジア太平洋大学卒。卒業後は(株)ザッパラスにて全国の特産品EC販売・商品開発に従事。その後、社会起業支援や人材育成を行うNPO法人ETIC.にて移住支援・地域人材育成コーディネーターを経験。2013年に鹿児島へUターン、2017年には霧島市へIターンし、2019年6月〜テンラボへ参画。2020年11月、霧島市横川町の地域活性化を目的とした(一社)横川kitoを立ち上げる。現在は霧島市・鹿児島市を中心に地域づくり事業を行いながら古民家再生を行っている。そのほか、ライターとしても活動中。3児の母。
ー共同受託も共生・協働。受託したきっかけとその経緯
(パッション)
今年度で受託7年目ということで、そもそもの共同受託をするきっかけや経緯について教えてください!
(浜本)
当初、共生・協働センターが民間委託されるということで公募がかかっていた時は、自分たちくすの木自然館が共生・協働を担っていくという考えはありませんでした。どこが担うのかなと考えていたぐらいなんです。
そしたら、当時テンラボの理事長であった永山さん(現日置市長)から「麦さん、一緒にやらない?」と言われたんです。最初はなんで!?と驚きましたが「くすの木自然館はNPO法人として、県内6番目の認証で昔から活動していて、麦さんたちがやってることは、実は共生・協働なんだよ」と永山さんに言ってもらったんです。加えて、「重富海岸を保全するために、最初は自分たちで調査研究をやっていたけど、そこを大事だと思ってもらえる人を増やすためにいろんな団体と協力してやってるよね。自分たちが大事だと思うものを未来に引き継いでいくために、自分たちだけじゃなくていろんな分野で、得意とする人が力を合わせるというのが共生・協働だから、麦さんたちは共生・協働に向いていると思う。一般社団法人など各種団体に関する部分をテンラボが担うから、NPO法人に関する部分をくすの木自然館で担って!」と言われたんです。
その日は考えさせてと言ったけど、次の日には一緒にやろう!という話をしましたね。
(パッション)
活動を知っている方から言われて、初めて自分たちの活動が共生・協働って気付いたんですね。
(浜本)
そうですね。共生・協働センターを運営していて、自分たちの活動が共生・協働ということに気付いていない方々がすごく多いなと思っています。私がそうだったように、実はその考え方って共生・協働で、活動を変える必要はないけど、少しでも共生・協働を意識してやってみない? というところをくすぐりたいとすごく思っています。
(パッション)
この共同受託という形も、共生・協働だなと思うのですが、そこも意識されていたんですか?
(浜本)
そう!そこはすごく思っていて、くすの木自然館が持っていない考え方や出来ないところはテンラボがサポートしてくれるし、テンラボが出来ないところはうちがサポートする。お互いに支え合えるとこんなに大きいことができるんだと実感しました。

(パッション)
一方で、梨恵さんは途中からこのココラボに合流されましたが、どのような思いから関わり始めたのですか?
(白水)
鹿児島の色々な方々が社会的な事業や活動をされていて、同じような目標を目指しているけど、それぞれが頑張っていることに課題感を持っていました。もう少し協力したり、情報共有することで、もっと自分たちのやりたい本質に近づいてお互いハッピーになるんだけど勿体無いないと思うことがたくさんあったんです。
それを何とかしたいと思った時に、県内自治体の枠を気にせずフラットに県域でやるには、鹿児島県共生・協働センターが担う役割ってすごく大きいと思って関わり始めました。
(パッション)
元々そのような課題感を持っていたんですね。
(白水)
ただ実は、そのような課題感は大学生の頃から持っていて、大学生の時の将来の夢は、NPO法人向けのファンドを作ることだったんです(笑)
大学2年生からNPO法人ETIC.という団体に関わっていて、 ETIC.の職員の方と同じ部屋をシェアして住んでいた頃もあって、NPOに勤める人たちの内情をよく見ていました。NPOは、社会的にすごく必要なことをやっているけど、収入も含めた成果に繋がりにくいんです。なので、その方たちがもっと仕事に打ち込めるような状況や土台を作ることが社会的に必要だとずっと思っていたんです。
(浜本)
ファンドはあってほしいね!仕事をし始めてから同じことを思ったことがある!
(パッション)
梨恵さんの中ではずっと繋がっていたんですね!
(白水)
繋がってるんだよ笑
鹿児島帰ってきて自分の出産や子育てを経て、もっと現場に行きたい気持ちが強まったんです。でも、鹿児島には現場でやっている人がたくさんいて、それぞれ同じような課題にぶつかりながら頑張っていて、やっぱり土台を整えることって大事だなって所に戻ってきたんです。

ー全員がそれぞれの目的を達成できるように、横につながり、助け合い、支え合う
(パッション)
そんなお二人は、共生・協働をどう捉えていますか?
(白水)
これは難しくて、共生・協働って本来答えがないものなんです。それぞれの人によって違う世界なので、人によって違うというのが答えなんだけど。
(浜本)
今、くすの木自然館で力を入れているのが、障がいがあるないに関わらず自然体験ができるような世の中をつくるというユニバーサルビーチの活動です。その時に思っているのが、世の中って「障がい者だから助けなきゃ」って結構言われるんだけど、そうではなくて。困ってる人がいたら、得意な人が助け合えばいいじゃんというのがすごく強いんです。
元々私も、ゴカイのことしか知らない生態学者なんですよ。生き物の繋がりの生態学しか知らなかったけど、そこをみんなに大事だと思ってもらうためにはどうすればいいかを考えた時に、役場の方や大学の方に協力してもらったり、絵が得意な人に絵を書いてもらったりしたんです。私はこうしたい!というのを伝えたときに、「それいいね!」と言ってくれた人たちが一緒になって、それぞれが得意な分野で支えてくれるのがすごく生きやすいなって思ったんです。それが社会基盤になればいいなと思い始めたときに、これが共生・協働なのかと腑に落ちたことはある。
でもこれって、困り事は人それぞれだし、頼り方も人それぞれだし、助け方も人それぞれだから、りえさんが言った通り人それぞれだなってすごく思う。
(白水)
ちょっとずれるかもしれないけど、共生・協働が成り立つ前提として、フラットであることが大切だと感じています。上下関係やどちらが優位というのが全くない、それぞれの在り方が尊重し合っていることが必ず必要だと思っています。共生・協働の地域社会づくりを進めていくためには、尊重し合う状況をつくっていく、広めていくことが重要です。
(浜本)
それこそ共生・協働センターの事業を受託する前は、鹿児島県の事業に自分たちが提案をして、委託を受ける”受託・委託”の上下関係が私の中にあるイメージだった。でも、共生・協働の事業って本当はそうではなくて、民間団体の専門性を活かして一緒に考えて進めていく。これって横の繋がりで、本当の意味での共生・協働の在り方なんだって気づきました。
しっかり気づいた時に、すごく楽しいし、お互いが尊重し合ってるから、建設的に話ができるというのを感じています。お互いが上下に繋がるのではなく、横に繋がりつつ、助け合い、支え合う。一緒に上に登っていくのが私の中の共生・協働のイメージです。
(白水)
公平と平等ってあるじゃないですか。
例えば、「棚の一番上の物を取ってください」と言う時に、大人だと背丈があるからひょいと取れて、子どもは背が小さくて取れない。その時に全員に同じ台を用意するのが平等で、その人に合わせて台を調整して全員が同じことをできるようにするのが公平。共生・協働は公平だろうなっていうイメージはあります。平等ではなく公平。
その人の在り方に合わせることも尊重だと思いますが、お互いがやりやすいような状況を話し合いながらつくっていく、工夫をする。誰かが得して、誰かが損するよねとかではなく、全員がそれぞれの目的を達成できるように話し合いながら、環境をつくってやっていくのが共生・協働だと思っています。

ーココラボに来れば誰かと繋がれる場所を目指して
(パッション)
毎年共生・協働センターの業務に手を挙げて、受託して7年目を迎えるわけですが、やり続ける理由はなんでしょうか?
(浜本)
やればやるだけ難しくて、できてないことがまだ見えてくる。まだ自分たちが理想とする共生・協働の考え方が根付いてないというのを地域で活動していても実感するし、ココラボの仕事でも実感するので、まだやりたいと思います。
むしろ「ココラボを活用してもっとこうできたら良いのに!」が出てくるから続けていますね。
(白水)
毎年提案書をつくる際に、現状や反省点を振り返り、こうやって改善してやってみたら良いのではないかと仮説を立てます。実際に1年間やってみると、新しい課題も手応えも両方出てくるので、次はこれをやろうと自分たちのやれることがまだまだ見つかります。やれることとやるべきことが、受託側だけではなくて県の職員さんも含めたチームとして、まだまだあるというのを感じています。
(パッション)
ココラボが鹿児島県で担っていてほしい役割って何でしょうか?
(浜本)
駆け込み寺みたいになったら良いなと思っています。地域で活動していると、壁にぶつかってどうしようもなくなる時があると思うんです。近くの人に助けてと言いたいけど、言える人がいない時に、助けてと言いにこれる場所の拠点であって欲しいですね。本当は県内全地域に助けてと言える場所が、流動的に動き続けるネットワークのようにあり続けたら一番良いけど、まだ全然つくれていないので。
とりあえずココラボに来れば誰かと繋がれて、ココラボに集まっている情報を参考にしたら少しは目の前がクリアになるような場所になれば良いなと思っています。
(白水)
ポケモンで例えると、ジョーイさんがいるポケモンセンターみたいな(笑)
それぞれの人たちが日々向き合っている現場がフィールドやジムだったりして、情報が欲しい時や戦い疲れた時に、情報収集しに来るか回復しに来る場所であって欲しいですね。

(パッション)
なるほど、すごく分かりやすいですね(笑)
(浜本)
そうだね、RPGでいう宿屋とルイーダの酒場が一緒になってるみたいな(笑)
(白水)
たまに大きい街だと2階が宿屋で、1階が酒場みたいなやつ。
(浜本)
分かる分かる(笑)すごい納得した。でもそんな感じ。
酒場だから情報も集まるし。本当はギルドっぽくしたくて。困りごと一覧の掲示板があって、力になれる人たちが助けにいったり、逆に困ったから掲示板に書けるようにできたら良いなとは思っていました。
それを助けることができるのが、鹿児島県かもしれないし、NPO法人かもしれないし、一般社団法人かもしれないし、企業かもしれない。ココラボに集まると、全員がフラットな状態でいるから、誰とでも手が取り合えるし、話が聞けるし、話ができる。それが理想だし、そういう役割を担っていきたい。

ー人や情報が集まり、繋がる場所”ココラボ”
(パッション)
これまでのココラボの取り組みの中で、印象に残ってる出来事やプロジェクトはありますか?
(浜本)
時間はかかったけど、伴走型の活動支援はすごく良かったと今でも思っています。そこで伴走した人たちが、活動を広げていたり、法人格を取ったりして自走しているのを見るとやって良かったですね。
(白水)
比較的カタラボ対応をすることが多いので、色々な講座の受講生が、もっと詳しく知りたい・話したいとなった先に相談支援(カタラボ)があるという形が、県内で活動している人たちにとっても良いんだろうと思っています。
カタラボで何回か相談を受けて、その後現場で色々と自分で工夫されてて、個別相談するほどではないけど、ココラボに顔を出してくれたり、ココラボの講座に久しぶりにきてくれるんですよ。その時がものすごく嬉しいし、そういう人の顔が今浮かんでいます。
(パッション)
それでいくと、ポケモンセンターのような役割になっていますね!
(白水)
なってる!多分(笑)
(パッション)
では、今年度の一押しプロジェクトは何ですか?
(白水)
私は、講座の内容を受け入れ地域との話し合いでゼロから作る出張講座ですね。こちら側も全然想定ができないし、大変なんだけど、過去に行った地域の人たちの動きを見ていると、じわじわ効いていると思います。楽しみですね。
(浜本)
私はすごく難しくて、その年その年で必要だと思ったことを企画にしているので、結局全部おすすめなんだよね。パッションがやってくれている、地域で活動している人にインタビューに行って、それをみんなが見られるWEB記事としてまとめていくのもすごく大切だし、恐らくインタビューを受けた側も嬉しいし、それを読んだ人たちも「こんな人たちもいるんだ」とつながっていく。
私達がつくりたい酒場やポケモンセンターみたいな状態であるために、全てが大事だと思っているので、全てのプロジェクトがおすすめと言っていいなと思ってます。展示や情報発信、講座の企画も全部含めて、みんなにもっと知ってほしいし、もっと参加してほしいし、もっとやってほしいことを言ってほしいですね。
※地域で活動している方のインタビュー記事はこちらからご覧ください
(パッション)
では、最後にココラボとして、これから描いていきたい未来を教えてください。
(浜本)
ポケモンセンターみたいな形が理想ではあるけど、ココラボが企画しなくてもココラボの利用者たちが直接つながって、新たなプロジェクトができていくのが理想ですね。共生・協働の考え方を持ってる人たちが集まると「こんなに楽しいプロジェクトが生まれたよ!」というのが色々な分野であると良いなと私は思っています。
(白水)
ほとんど一緒ですが、1つはココラボに情報を求めに直接来る人がたくさんいるという状態をつくりたいですね。その上で、オンラインの時代にあえて掲示板を用意して、「これ悩んでいます」や「誰か協力して!」を来館者さんが付箋に貼って、1週間後に再訪すると、「これできるよ!」とか「一緒にやりませんか?」って書いてあるのが、ココラボの理想の姿だと思います。
1番鹿児島の中だと情報も人も集まるし、誰かしら用事で足を運ぶ鹿児島市にココラボという場所があるので、人が足を運んで集まって、情報交換がされてつながりができる。もちろん遠方の方もいらっしゃるので、オンラインでもそういう役割が一部ある。それがココラボの役割なのかもなと思ったりしています。
(浜本)
実はこのイメージは、受託した1年目からずれてないんです。やっぱり目指すは酒場だよねって。だからいつ来ても、必ず誰かがいて、困り事を掲示板に書いたら絶対にレスポンスがある。そのままお互いにつながってプロジェクトができるようになったらいいよねという思いがありますね。

対談を終えて
今回の対談を通じて、私たちココラボの運営チームが日々向き合っている「共生・協働」というテーマについて、改めて深く考える時間となりました。「助けて」と気軽に言える拠点であり、情報や人が自然につながる場所。「酒場」や「ポケモンセンター」のように、人々が安心して集まり、そこで新しいアイデアや協力が生まれる場。それが私たちが目指すココラボの姿です。この対談の中でも触れられたように、共生・協働という考え方は、人それぞれに異なる形で表現されるものですが、お互いの得意なことを生かし合い、尊重し合いながら協力する。私たちの活動が、これからさらに多くの人たちの支えになり、新たな挑戦の場となれるよう、これからも進化を続けていきます。
鹿児島県の皆さん、そして活動に関わる全ての皆さんと共に、一歩一歩未来を描いていきたいです。
(取材・執筆:パッション)